ヤコブ・ケア1896 – 1957
家具職人であった父の工房で修行後、家具職人としてベルリンやパリなど各地で修行をする。スネーカーマスターとしてバルセロナの世界博他に作品を出展。多数の受賞経歴を持つ。全体的にシンプルなデザインが多いが、ディテールなどの細部は驚くほど考え尽くされているのがわかる。家具職人として材料や加工、構造や作業工程に至るまでこだわる、一流の職人であった。※スネーカーマスター・・・最高の家具職人の称号
スネーカーマスターの役目として、後継者である優秀な職人を育て自立させることも重要な役割であった。ヤコブ・ケアも多くの優秀な職人を育て、エリザベスチェアの製作メーカーであるクリスチャンセン&ラーセン社を主催するウイリアム・ラーセンらのマイスターを育てあげた。ヤコブ・ケアは、卓越した職人の技術と共にデザインへも精通しており、そのルーツは、コーワ・クリントと同じく18世紀の英国スタイルを源としている。彼の代表作であるFNチェア(UNチェア)はニューヨーク国連ビルの為に製作したことで知られているが、椅子以外にテーブルやキャビネットなどにも名作が多く、伝統的な手法で一点一点ハンディワークにより作り込む作品は、デンマークの工芸品として認知されている。
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