【古民家リフォーム×北欧家具】|名作照明とキリムで彩るお茶室ショールーム『山弘庵』

皆さま、こんにちは。プラスロゴバの吉成です。

古民家の太い梁や土壁の雰囲気は大好き。でも、インテリアも《ザ・ 和風》にしてしまうと、なんだか古臭い感じもしてしまう、、、
そんなお悩みをお持ちではありませんか?

プラスロゴバでは、これまでにもお伝えしてきておりますが、実は、日本の伝統的な家屋と、デンマークをはじめとする北欧のインテリアは、世界で一番相性が良いと言っても過言ではないかと思っております。どちらも自然素材を慈しみ、そして、古くから長く使うことを美徳とする文化を持ち合わせているからです。

今回の記事では、私たち+ROGOBAが手がけた、古民家をリフォームした事例をご紹介します。
そこは、弊社社員がお茶のお稽古をするための、少し特別な「お茶室」。もちろんショールームとしてもご見学いただけます。

「山弘庵」は、名作照明の柔らかな光と、手織りのキリムが織りなす、静かで穏やかでありながら新しい和の空間となっています。
これから古民家の改装やお部屋の模様替えを考えている皆さまに、本記事をご参考いただいて、少しでも暮らしのヒントになればと思います。

滋賀県竜王町。とてものどかな空気が流れるこの場所に当社の「モブスクエア」はあります。その一角に佇む広い一軒の古民家。
長い年月を耐え抜いてきた木造建築は、重厚でありながら、懐かしい温もりを感じさせてくれます。

この古民家の一室を「お茶室」としてきれいにリフォームし、+ROGOBA(プラスロゴバ)で、設えを担当させてもらいました。

お茶室といっても、格式張った入りにくい場所ではありません。当社の社員がお茶の先生をお招きし、日々のお稽古を通じて心を整える、生きた空間なんです。

日本の伝統的な茶室の美を尊重しつつ、北欧の名作家具や照明、そしてオリジナルのキリムを取り入れることで、現代の私たちの感性に響く、心地よい空間を目指しました。

「畳に北欧家具? 本当に合うの?」 そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、写真をご覧いただければ、その不安はすぐに期待へと変わるはずです!
それでは、 どうしてこれほどまでに馴染むのか、一つひとつのアイテムに込められたストーリーとともに、コーディネートを紐解いていきますね。

【古民家 北欧インテリア】光の演出|和の空間を優しく照らす名作照明たち

古民家において、最も難しく、そして最も効果的なのが「照明計画」です。 昔ながらの日本家屋は、軒が深く、窓も小さいため、どうしても室内が暗くなりがちです。しかし、ただ明るい蛍光灯をつけてしまっては、せっかくの陰影の美しさが台無しになってしまいます。

そこで私たちが選んだのは、光の質」に徹底的にこだわった北欧の照明でした。


点前座(てまえざ)には、和紙のような光を放つ「レ・クリント」

まず、お茶を点てるメインステージである「点前座(てまえざ)」をご覧ください
空間全体のアクセントとして、「ラメラ」のペンダントライトを採用しました。 丸みを帯びたフォルムは、張り詰めたお茶室の空気に、ほんの少しの「抜け感」と「優しさ」を与えてくれます。 これは、デンマーク王室御用達ブランドLE KLINT(レ・クリント)の照明です。

通常、お茶室の天井照明といえば、目立たないダウンライトや、竹や和紙を使った和風照明がセオリーです。
しかし、私たちはあえて北欧デザインを選びました。

そして、玄関土間より上がった空間の黒く煤(すす)けたような味わい深い天井板に、ふわりと浮かぶ白い明かり。 これはLE KLINT(レ・クリント)のシーリングライト「LAMELLA(ラメラ)」です。

「ラメラ」シリーズの最大の特徴は、キノコの裏側にあるヒダ(ラメラ)を模したという、繊細で無数に重なるプリーツです。 一枚のプラスチックシートを手で折り上げて作られるこのシェードは、光源のまぶしさを完全にカットし、光を柔らかく拡散させます。

その光の質は、日本の「行灯(あんどん)」や、障子を通した陽の光のように柔らかいのです だからこそ、プラスチックという現代的な素材でありながら、古民家の有機的な素材感と驚くほど調和するのです。

玄関土間をノスタルジックに彩る「PH琥珀ペンダント」

次にお客様をお迎えする玄関土間です。

格子戸の向こう、薄暗い空間にポッと灯る温かなオレンジ色の光。 ここでは、北欧照明の代名詞とも言えるルイスポールセンの「PH 3½-3 琥珀色ペンダント」をコーディネートしました。(※琥珀色は期間限定販売品のため現行品ではございません。)

この「琥珀色(アンバー)」のガラスシェードが、古民家には特に相性が良いです。 透明なガラスよりも光がまろやかになり、レトロでノスタルジックな雰囲気を醸し出します。

古民家の建具や柱は、経年変化で深いこげ茶色になっていることが多いのですが、琥珀色の光は、その木肌の色味と同調し、空間全体を夕焼けのような安らぎで満たしてくれます。お客様を優しく迎え入れてくれるような、そんな温かさがこの照明にはあります。

圧倒的な存在感と機能美|ルイスポールセン「アーティチョーク」

そして、今回のリノベーションのハイライトとも言えるのが、こちらの照明です。

ルイスポールセンの最高傑作、「PH Artichoke(アーティチョーク)」。 72枚の羽根が正確な角度で配置され、光源を隠しながら360度どこから見ても美しい光を放つ、まさに光の彫刻です。

「古民家にアーティチョーク? 豪華すぎて浮いてしまわない?」 そんな懸念を持たれるかもしれません。確かに、ホテルのロビーなどで見かけるラグジュアリーな照明であることは間違いありません。

実際に吊るしてみると、いかがでしょうか。 太い梁、漆喰の壁、そして畳。力強い日本の素材たちに、アーティチョークは決して負けることなく、かといって主張しすぎることもなく、堂々と鎮座しています。

アーティチョークのデザインは、植物の構造をモチーフにされています。だからこそ、木や土といった自然素材でできた古民家と共鳴するのだと考えます。 豪華でありながら、シンプル。 この本物同士の組み合わせこそが、古民家リノベーションをワンランク上のステージへと引き上げてくれるのではないでしょうか。

伝統的な「毛氈」の代わりに「ロゴバキリム」という選択

照明と同じくらい、空間の印象を決定づけるのが「床」のしつらえです。 写真の右側、畳の上に敷かれた長いラグにご注目ください。

通常、お茶室でお客様が歩く道や座る場所には、「緋毛氈(ひもうせん)」と呼ばれる赤いフェルトのような敷物を敷くのが習わしです。赤色は邪気を払うとも言われ、ハレの場を演出します。

しかし、私たちはここで「ロゴバキリム」のランナータイプを選びました。

ランナータイプのキリムが作る「道」と「結界」

畳の縁(へり)に沿って、長く敷かれたキリム。 これがお客様を点前座へと導く「道」となり、同時に空間を緩やかに仕切る「結界」の役割を果たしています。

真っ赤な毛氈も素敵ですが、日常生活の中では少し緊張感が強すぎることがあります。 一方、トルコの遊牧民が手織りで仕上げたキリムは、草木染めの優しい色合いと、幾何学模様の素朴な美しさを持っています。

写真のキリムをご覧ください。暖色系をベースにしつつも、複雑なアースカラーが混じり合っていますね。 障子から差し込む自然光を受けたとき、化学染料では出せない深みのある色が浮かび上がり、畳の緑色とも美しく調和します。

これは、伝統への反発ではなく、敬意を払いつつも、現代の暮らしに合わせた「見立て」の美学だと思い、コーディネートしてみました。

畳とウールの意外な相性

ちなみに、「畳の上にラグを敷くと、畳が傷んだり湿気がこもったりしませんか?」 とお客様からよくご質問いただきます。

ご安心ください。ロゴバキリムに使用されているのは、厳選された上質なウール(羊毛)です。 ウールは「呼吸する繊維」と呼ばれ、湿気を吸ったり吐いたりして湿度を調整する機能があります。これは、日本の気候風土に適した「畳」や「土壁」と同じ性質です。

また、ロゴバキリムは毛足のない「平織り」なので、通気性が抜群。厚ぼったくならず、畳の段差もさほど気になりません。 冬は足元の冷えを防ぎ、夏はさらりと快適。 機能面から見ても、「畳×キリム」は理にかなった最高の組み合わせなのではないでしょうか。

待合空間もモダンに|ペリカンチェアとスノードロップ

お茶室に入る前、客人が心を整えて待つ場所を「待合(まちあい)」、特に腰を掛けて待つ場所を「腰掛待合(こしかけまちあい)」と呼びます。

今回のリノベーションでは、この待合空間を「小さなラウンジ」のように仕立ててみました。

フィン・ユールの傑作で、アートな時間を

目を引くのは、愛らしいフォルムの椅子。 デンマークの建築家、フィン・ユールがデザインした「Pelican Chair(ペリカンチェア)」です。

翼を広げたペリカンのような、有機的でユーモラスな形。 一見奇抜に見えますが、座ってみると驚くほど身体にフィットし、包み込まれるような安心感があります。ペリカンチェアは座面の高さが低く設定されているため、床座(ゆかざ)の生活が中心である日本家屋の天井高や、低い視線とも非常に相性が良いのです。

隣には、同じくフィン・ユールの「Pelican Table(ペリカンテーブル)」を。 そして、照明にはレ・クリントの「Snowdrop(スノードロップ)」フロアランプを添えました。 「待雪草(スノードロップ)」をモチーフにしたこのランプは、春を待つ茶人の心を表しているかのよう。

古民家の静けさの中で、アートのような家具に身を委ねる。 お茶が点つのを待つその時間さえも、豊かで特別な体験に変わります。

【Staff Voice】実際にこの空間でお稽古をして

実際にこのお茶室でお稽古をしている当社のスタッフに、使い心地を聞いてみました。

「キリムの上を歩く感触も気に入っています。足裏に馴染む感じ、ざっくりとした感触が心地よくて。冬場のお稽古でも足元が冷えないのが嬉しいです。 古いけれど新しい、自分たちだけの大切な場所になりました。」

「最初は『お茶室に北欧家具?』と少しドキドキしていましたが、実際に設えているのをみると、不思議なくらい落ち着くんです。」

「特に照明の光が優しくて、緊張感がほぐれて、リラックスしてお点前に集中できました。」

あなただけの「古民家×北欧」スタイルをご提案します

いかがでしたでしょうか。
陰翳礼讃(いんえいらいさん)の日本的な美意識と、北欧デザインの温かみが融合した設え。
遠く離れた国で生まれた文化ですが、「自然と共に生きる」「家での時間を大切にする」という根底にある精神は同じです。
だからこそ、こうして組み合わせることで、互いの良さを引き立て合うことができるのです。

「我が家の和室も、こんな風に変えられるかな?」 「照明ひとつからでも相談できる?」

もし少しでも興味を持たれたら、ぜひ一度、+ROGOBAにご相談ください。
私たちはお客様のライフスタイルや、お住まいの個性に合わせたコーディネートをご提案させていただきます。

竜王のモブスクエアでは、今回ご紹介したお茶室のほか、様々な北欧家具やキリムを実際にご覧いただけます。
古民家の空気感と、北欧家具の心地よさ。ぜひあなたの五感で確かめにいらしてください。

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