吉村順三/たためる椅子の魅力

皆さま、こんにちは。プラスロゴバの村井です。
今日は、日本の住まいづくりに深く関わってきた 「建築家 吉村順三氏、中村好文氏と家具デザイナーの丸谷芳正氏」が、日々の暮らしに本当に必要な椅子とは何かを考え、たどり着いた「たためる椅子」の魅力についてご紹介いたします。

暮らしのための一脚であること

吉村順三、中村好文、丸谷芳正——日本の住まいづくりに深く関わってきた三人が、日々の暮らしに本当に必要な椅子とは何かを考え、たどり着いた答えがこの「たためる椅子」です。

使わないときはコンパクトに畳めて、必要なときにすぐ取り出せる軽やかさ。
しかし座ればしっかりと体を支え、どこか懐かしく、温もりのある木の手触りが広がります。

派手さはないけれど、静かに空間に寄り添う。それは、住まいに本当に必要な道具のかたちなのです。

この椅子には、合理性、美しさ、そして長く使える耐久性が見事に調和しています。
日本の暮らしや空間に馴染み、場所を選ばずに使える——まさに「良い椅子」と呼ぶにふさわしい一脚です。

吉村順三は、モダニズムの美学を背景にしながらも、日本人の暮らしに寄り添った住まいづくりを大切にした建築家でした。
丁寧な仕事と人の暮らしへのまなざし、素材の使い方や寸法感覚、これらが「たためる椅子」に象徴される設計思想に繋がっています。

驚くほど快適な座り心地

座布団のように、お部屋を広く使いたいときなんかは、たたんでパッと片づけることができる利便性と、どこにでも運びあちこちに置いて使える勝手の良さが、この椅子の魅力ですが、たためる椅子は、「しまっておく椅子」ではなく、「いつも使いたくなる椅子」でもあります。
それは、シンプルなデザインと座り心地に理由があります。

背もたれの絶妙な角度
背板がごくわずかに後傾していて、背中を自然に支えてくれる角度。無理に姿勢を正すこともなく、リラックスできます。

座面の「しなり」
座面が柔らかすぎず、固すぎない素材で構成されており、お尻が沈みすぎない適度なハリがあります。
とくにフレームの木部と、布や革の素材がうまく作用して“しなるような弾力感”を生んでいます。

軽さと安定感のバランス
見た目からは想像できないほど軽量で、持ち運びが簡単。にもかかわらず、座ったときにはしっかりとした安定感があります。
フレーム構造の工夫と、各部材の寸法バランスの良さが光ります。

バリエーション

たためる椅子(革)

時を重ねて育つ椅子。
しっとりとした本革の座面は、使うほどに艶を増し、手に馴染む深みを帯びていきます。
建築家の目と手が生んだ静かなデザインに、革の温もりが重なる一脚。
空間を引き締め、日常にほんの少しの特別感を添えてくれます。

サイズ:W575 D560 H700 SH360
折りたたみ時:W595 D115 H805
張り地:牛革(表面)、亜麻100%(裏面)
木 種:ベイマツ(7kg)、杉(6kg)
ベイマツ:重圧で耐久性に優れています。
杉:直線的な木目が美しく、通気性や防水性に優れています。

たためる椅子(麻)

自然と暮らしに溶け込む一脚。
素朴な風合いと軽やかな座り心地。通気性のある麻のキャンバス地は、季節を問わず快適に使えます。
日々の暮らしの中で、ふと腰かけるひとときに、ちょうどいい存在感。
庭先や土間にも似合う、静かな佇まいの椅子です。

サイズ:W575 D560 H700 SH360
折りたたみ時:W595 D115 H805
張り地:亜麻100%(表裏面)
木 種:ベイマツ(7kg)、杉(6kg)

「この椅子は、建築家が“本当に自分の家に置きたい”と思ってつくった椅子です。」
設計の思想も、木の質感も、手触りも、すべてが「暮らし」に根ざしています。
量産される家具ではない、建築家たちが時間をかけて磨き上げた“生活の道具”。
吉村順三家具は、大津百町スタジオにて実際にお試しいただけます。

新築やリフォーム。家づくりを考えはじめた時、お役立ちいただけるまとめサイトをつくりました。
木の家のプロだけが知っている、理想の家づくりのポイントを動画でわかりやすく紹介しています。
建築だけでなく、インテリアのご参考にも。インテリアから考える家づくりのヒントが盛りだくさん。
ぜひご覧ください。