皆さま、こんにちは。+ROGOBAの吉成です。
北欧家具の名作は数あれど、「毎日使う椅子」にすっと馴染む一脚は限られます。
今回の記事でピックアップしご紹介させていただくのは、建築家フィン・ユールが“彫刻家の目線”で設計した椅子「46アームチェア」。
この記事では、「46アームチェア」が時代を超えて愛され続ける理由を、デザイン哲学、快適性、そしてディテールにいたるまで、掘り下げて解説します。
フィン・ユール作品のファンの方はもちろん、「一生ものの椅子」を探している方、北欧デザインに魅力を感じている方は、ぜひ最後までお読みください!
フィンユール 46チェアとは──軽やかさを形にした名作
デンマークの巨匠デザイナー、フィン・ユール(Finn Juhl)が1946年に発表した名作「46アームチェア(46 Armchair)」です。
一目見ただけで心を奪われるその造形美、特に美しいアームは、家具という実用品の枠を超え、まるでアート作品のよう。
ですが、その真価は「暮らしに寄り添う機能性」にもあります。「46アームチェア」の最大の特長は、フィン・ユールのデザイン哲学が最も象徴的に現れている「構造の独創性」にあります。細身のフレームと座・背をわずかに浮かせたような構造が特徴で、視覚的にも体感的にも軽やかです。
そして、46チェアはアームチェアをさらに発展したもの。アームチェアと同じ洗練された特徴を備えていますが、アームがなくなり、よりシンプルな表現と開放的で軽やかなシルエットが魅力です。アームレスの椅子は、ダイニングとしておすすめです。
「彫刻のよう」と称される独創的な造形美
「浮遊感」を生む構造
フレームと座面・背もたれが分離しているように見える独特の構造が生み出す軽やかさ。フィン・ユールは、椅子を「支える部分(フレーム)」と「人に寄り添う部分(座面・背もたれ)」に分け、それぞれを独立させてデザインしました。この手法は、彼の代表作「45チェア」にも見られます。この微妙な隙間が、本来重厚になりがちな無垢材の椅子に、軽快さと詩的な美しさを与えています。まるで空間に余白を生み出す彫刻のようです。


身体にフィットする
「アームの曲線美」と快適性
美しさだけでなく、その名が示す通り、アームレストにこそ真髄があります。アームレストは、肩から指先へとなめらかに流れるように削り出され、人の腕の自然な角度にぴったりと寄り添うように設計されています。
快適な座り心地
クッション性は硬すぎず、張りのある絶妙なバランス。ダイニングチェアとしても、ラウンジチェア(安楽椅子)のような快適さを併せ持ち、長時間の読書や食事の時間を心地よくしてくれます。


一生ものにふさわしい、素材へのこだわり
フィン・ユールの家具は、素材選びと職人の技術があって初めて完成します。丁寧に手作業で削り出された曲線には、量産家具にはない職人の温もりが宿っています。そして、使い込むほどに深みを増していく木の経年変化は、まさに一生ものの家具の醍醐味です。
永く使い続けられる技術と手仕事
現在製造されている「ハウス・オブ・フィン・ユール」の復刻版は、当時のオリジナルデザインを尊重しつつ、現代の技術で接合部の強度を高めるなど、日常使いのクオリティも向上させています。

46チェアの基本スペックと“ちょうどよさ”


テーブルとの相性チェック──数字でわかる“座りやすさ”
サイズ感にもおすすめした魅力があります。幅52cm×奥行53cm×高さ82cm、座面高約44cmというプロポーションは、日本の住空間でも扱いやすい定番ゾーンです。
テーブル高が約70〜72cmの場合、座面高43〜45cmは“肘が張らず、脚が楽”になりやすい高さです。46チェアはこの快適ゾーンにきれいに収まります。
ダイニングでの座りやすさは、①テーブル高−座面高(差分)と②座面〜天板下のクリアランスで決まります。46チェアの座面高は約44cm。テーブル高が70〜72cmなら差分は26〜28cmとなり、肘が張りにくく、肩が上がらないバランスです。天板下の幕板が低いテーブルの場合は、膝が当たらないかも確認してください。
数分のお試しでも、背中の当たりや脚の動きやすさは意外なほど違いが出ますので、ご購入前に再確認しておくのがベターです。
選べる素材のバリエーション

オーク×ファブリック

ウォルナット×ファブリック
フレームの樹種はオークまたはウォールナット、チーク材(日本)から、張地はファブリックまたはレザーから選べます。
オークは、木部は明るく穏やかなトーンでカジュアルに、対してウォールナットは濃色で陰影が生まれ、空間に落ち着きを与えます。チークはチーク材は天然の油分を豊富に含んでおり、「木の宝石」とも呼ばれるほど、ロウのような滑らかな手触りを持っています。
そして、張地をレザーにすると経年の艶とコシが楽しめ、ファブリックなら色と織りのバリエーションが豊富。夏場はさらり、冬は起毛系で温かみを出すなど季節演出もしやすいので、初めての北欧チェアとしても迷いにくいのが良いところですね。
北欧らしいやわらかさの「オーク」か、落ち着きの「ウォールナット」か落ち着きのある「チーク」。これは空間の“明るさ”と“コントラスト”で考えると決めやすいですよ。迷ったら、まずは木部(空間の基調色など)を先に決め、あとから張地で“季節感”や“個性”を足す、という順番が失敗しにくいかと思います。
価格と納期の“目安 と 正規品を選ぶ安心感
現行品はデンマークの 「House of Finn Juhl(ハウス オブ フィンユール)」 が正規製造しています。
受注生産が基本のため、納期はおおむね最大6ヶ月が想定レンジです。
価格は、お選びいただく、フレームの樹種や張地のグレードで異なりますので、以下の表をご参照ください。
名作の価値は「設計思想+つくりの精度+素材」で決まります。
ユールが“人体に合わせて形を決めた”こと、そして細部の仕上げに一切の妥協がないことが語られています。
しっかりした製造背景がある現行正規品なら、座り心地・耐久性・アフターケアまで含めて、長い時間軸で満足が続きます。特に46チェアのように、座と背を“浮かせる”構造は、加工精度が座り心地に直結します。長く暮らしに寄り添うためにも、正規品の確認と試座をおすすめします。
46 アームチェア

FJ 4653
【サイズ】 幅: 62 cm 奥行: 53 cm 高さ: 82 cm
シート髙: 44cm アーム:66cm
| 樹種/張地グループ | Fabric グループ1 | グループ2 | グループ3 | グループ4 |
| オーク | ¥532,000 | ¥545,000 | ¥554,000 | ¥577,000 |
| ウォルナット | ¥550,000 | ¥563,000 | ¥572,000 | ¥595,000 |
| チーク | ¥600,000 | ¥613,000 | ¥622,000 | ¥645,000 |
| 樹種/レザー仕様 | レザーグループ1 | レザーグループ2 | レザーグループ3 | レザーグループ4 |
| オーク | ¥583,000 | ¥605,000 | ¥640,000 | ¥658,000 |
| ウォルナット | ¥601,000 | ¥623,000 | ¥658,000 | ¥676,000 |
| チーク | ¥651,000 | ¥673,000 | ¥708,000 | ¥726,000 |
46チェア (アームレス)

46チェア(FJ 4652 )
【サイズ】 幅: 52 cm 奥行: 53cm
高さ:82 cm シート髙: 44 cm
| 樹種/レザー仕様 | レザーグループ1 | レザーグループ2 | レザーグループ3 | レザーグループ4 |
| オーク | ¥447,000 | ¥469,000 | ¥504,000 | ¥522,000 |
| ウォルナット | ¥461,000 | ¥483,000 | ¥518,000 | ¥536,000 |
| チーク | ¥545,000 | ¥567,000 | ¥602,000 | ¥620,000 |
| 樹種/レザー仕様 | レザーグループ1 | レザーグループ2 | レザーグループ3 | レザーグループ4 |
| オーク | ¥447,000 | ¥469,000 | ¥504,000 | ¥522,000 |
| ウォルナット | ¥461,000 | ¥483,000 | ¥518,000 | ¥536,000 |
| チーク | ¥545,000 | ¥567,000 | ¥602,000 | ¥620,000 |
+ROGOBAでできること──試座・張地相談・搬入アドバイス
+ROGOBAでは、竜王ショールーム(予約制)を中心に、北欧家具・キリム・リネンカーテンまでを横断してご提案しています。46チェアは大津百町スタジオにてお試しいただけます。
木部と張地サンプルの比較、ダイニングテーブルとの高さ相性チェック、搬入経路の確認まで、専任スタッフが並走します。
46チェアの座り心地と高さ相性を、その場で体験しませんか?ビデオチャットで打ち合わせも可能です。ご相談はお気軽にお問い合わせください。

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