今回のイベントでは、ロゴバキリムの最大の特徴である“アブラッシュ”にフォーカスした展示内容となっています。
さてこの“アブラッシュ”とは?キリムの表面に現れた糸の色の濃淡・糸の太さの大小が作り出す「織りの風合い」を意味する言葉です。キリムの良し悪しを判断する非常に大切な要素でもあります。
本来アブラッシュとは“色斑(いろむら)”や“織斑(おりむら)“がある状態を指し、設計図通りに仕上げ、均一性を求められるペルシャ絨毯などでは忌み嫌われる言葉です。(※機械のない時代では、全体を均質に仕上げることが人間の業としては理想とされていました)
元々遊牧民の織物であるキリムにとっては、自然の中で一箇所に留まらない遊牧生活では、アブラッシュができてしまうことは当然です。しかし、逆にそれがあるがゆえに、その織り手の気持ちが想像でき、手仕事の温もりが一層伝わるのです。機械で織られた均一な美しさももちろんありますが、やはり豊かさや温かみに欠けます。何でも簡単に手に入る便利な時代ではありますが、こんな時代に生きる私達だからこそ、均質ではなく熟練した職人が時間をかけて、ひとつずつ想いを込めて、丁寧に手作りしたことで生まれる、「ゆらぎ」や「暖かさ」を感じさせてくれるものこそが、手にした人の心に響くと感じています。
きっと手作りならではの豊かな風合いが、私達の日々の暮らし、おうちでの時間に彩りを与えてくれるでしょう。
この”アブラッシュ”が、キリムの中に、いかに美しく表現されているかを注目することで、見えない織り手の人柄やセンスを知る手がかりとなりますキリムをお選びいただくポイントして、織り手のセンスが特に反映されるアブラッシュに着目することで、織り手の「遊び心」や「こだわり」を発見し、より一層キリム選びが楽しくなります。今回の展示会にお越しの際は、ぜひ、アブラッシュにご注目し御覧くださいね。