皆さま、こんにちは。プラスロゴバの村井です。
「古民家」と聞いて思い浮かべるのは、どこか懐かしくて落ち着いた、木の香りが漂うような家の風景です。
定義付けるなら築50年以上、「木造軸組構法」「伝統構法」または「在来構法」の住宅のことを言います。
本記事では、+ROGOBA大津百町スタジオの展示空間を舞台に、北欧家具の選び方から素材の合わせ方、古民家に似合う家具の選び方を丁寧にご紹介します。ぜひ、大津百町スタジオで実物を体験してください。
古民家 家具×北欧デザイン 相性が良い2つの理由
① 自然素材の共鳴

古民家の柱や床材に使われる杉・檜(ひのき)の無垢材は、経年と共に深い飴色へ変化します。北欧家具もまた、オークやビーチなど木目を生かしたオイル仕上げが主流。お互いに“木の呼吸”を邪魔しないので、並べた瞬間からしっくり馴染みます。
② シンプルなフォルム

北欧デザイナーは「必要最小限の線で最大限の機能美」を追求します。曲線が少ないため、梁や鴨居など複雑な形状が目立つ古民家空間でも視覚ノイズを増やさず、すっきりとしたバランスを保てます。
北欧家具を体感できる+ROGOBA大津百町スタジオ
+ROGOBAが滋賀県大津市に構える【大津百町スタジオ】は、築100年の古民家をリノベーションしたショールームです。大津市は、かつて東海道五十三次の宿場町として栄えた町でした。この町屋も古くは「木賃宿(きちんやど)」という、商人が素泊まりするための簡素な宿でした。
立派な柱や高級な銘木は使われていませんが、柱に使われていた材料が梁に再利用した跡が見られ、過去の住まい手が材料を無駄にすることなく大切に住み継がれてきた様子がうかがえます。


北欧家具の展示の見どころ

引き戸を開けてすぐ、土間が続きます。
そこには、デンマークが誇るブランド「フィン・ユール」のペリカンチェアの存在が。
1940年にデザインされたペリカンチェアは、その名の通りペリカンが羽を広げている姿をイメージしたもの。
古民家の梁や柱の直線美に、ペリカンチェアの柔らかな曲線が加わることで、空間にリズムと動きが生まれます。
また、ペリカンチェアの脚部に使われるオークやウォールナット材は、古民家の木材と自然に調和し、違和感なく空間に溶け込みます。
古民家の静謐な空気の中で、ペリカンチェアはまるでアートピースのように際立ちます。特に、土間や縁側の一角に置くと、空間の重心が生まれます。
古民家らしい空間を残しながら、現代の技法を取り入れた百町スタジオの離れ2階のスペースには、フリッツハンセンの「エッグチェア」
エッグチェアの下には、全てが手作業で紡がれた「キリム」
階段を照らす、ルイス・ポールセンの「ヴォラート」
古民家の残す無垢材の良さと、北欧家具の素材はお互いを邪魔することなく空間に馴染みます。

大津百町スタジオで、古民家と北欧家具を体感
大津百町スタジオに展示している家具は全て実際に座っていただいたり、テーブルの高さをご確認いただり、ご体感いただくことができます。
吉村順三の「たためる椅子」フィン・ユールの「No.45」「108,109チェア」「リーディングチェア」その他にも、JLモラーの「No.62 アームチェア」などの名作家具を、お好きなだけお試しいただけます。



古民家に合う家具の選び方

ステップ1|寸法と動線を測る
天井高と家具の高さのバランス
古民家は天井が低めなことが多く、特に梁が視界に入るため、背の高い家具(例:ハイバックチェアや大型キャビネット)は圧迫感を与えることがあります。エッグチェアのような存在感のある家具は、天井の高い土間や吹き抜け空間に配置するのが理想的です。
間取りの広さと家具のスケール感
古民家の一部屋は意外とコンパクトなことが多く、北欧家具のゆったりしたサイズ(特にソファやラウンジチェア)は、動線を妨げない配置を意識する必要があります。家具の脚が細く、床が見えるデザインを選ぶと、圧迫感を軽減できます。
床座文化との調和
古民家では座布団やちゃぶ台など床座の文化が根付いています。北欧家具は椅子座が基本なので、座面の高さに注意しましょう。たとえば、ローチェアやスツールを選ぶと、空間に馴染みやすくなります。
素材と色の調和
古民家の暗めの木材や漆喰壁に対して、明るい木材や淡いファブリックの北欧家具を合わせると、空間に抜け感が生まれます。ただし、色数を絞って統一感を出すのがポイントです。
搬入経路と構造の確認
古民家は玄関や廊下が狭いことが多いため、大型家具の搬入が難しい場合があります。分解可能な家具や、現地組み立てが可能なモデルを選ぶと安心です。
このように、サイズ感だけでなく、空間の「呼吸」を意識して計画することが大切です。

古民家は「時を刻んだ器」。そこに北欧家具という“新しい息吹”を注ぐことで、懐かしさと新鮮さが同居する唯一無二の空間が生まれます。まずは+ROGOBA大津百町スタジオで、五感で調和を確かめてみませんか?
プラスロゴバでは、古民家を彩る北欧家具をご提案しています。また、古民家のリノベーションや部分的な改築のご相談も承っております。
リノベーションや改築については、悩まれることも多いと思います。まずはご希望をお聞かせください。

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